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松下エンジニアリングは粉・粒体プラントを専門とするエンジニアリング会社です。

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◆搬送・輸送について
工場のレイアウト又はプロセスにより、機器から機器へある場所からまたある場所へと輸送・搬送が行われます。 基本計画においてなるべく輸送機を挿まない方法が、エネルギーコストの点、機器保守・メンテナンス費の点からも、また粉粒体自体に与える影響(分級・粉化・劣化・コンタミ)の点からも望ましいが、同時に建設コスト、工場全体のスペース(原料荷受けから製品出荷まで)の問題、作業員数についても考慮しなければならない。 生産量もそこそこの時代には、人手によるハンドリングがよく行われていましたが、生産量の増大により人手によることが困難となる、人件費・労働条件の問題、密閉性のある設備での安全性の問題、品質の均一化と、さまざなな問題により今日ではさまざまなタイプの搬送・輸送機が目的に応じて使用されています。

1.ベルトコンベア
粉粒体をはじめ塊のバラ物や袋物、箱物等あらゆる搬送に用いられ、ほとんどの方が一度は目にしたことがあるかと思います。 使用動力の割りに搬送能力が高く、機構がシンプルで長距離輸送にも適し、メンテス性にも優れているので昔から良く用いられています。特に磨耗性のある品物や搬送による粉化・壊れ・分級が問題となる品物には適していると言えます。 ただしベルトへの附着やリターン側への漏れなどの衛生面(加工工場等でよく見られる水洗いして使用する場合は除く)、密閉性の点において問題がある点と上方向への輸送においては傾斜斜度による充填率の減少を軽減するためのヒレ付きベルト・ステープ形等の対応タイプも出ているが、一番のメリットであるコスト面と、掻き落しの点がが問題となり使用されるケースは限定される。

2.バケットエレベーター
バケットコンベヤとも呼ばれ、チェーン又はベルトに取り付けたバケツを上下に回転させることにより粉粒体を垂直方向へ搬送します。搬送物の物性や特長の違いにより遠心・完全・誘導排出型と3タイプあり、それぞれの特長を下記にまとめました。

形式 遠心排出型 完全排出型 誘導排出型
投 入 すくい上げ すくい上げ シュート下端がバケツ2〜3個上になるようにする
排 出 遠心力 スナッププーリーでバケツ反転 先行バケツの裏側をシュートとして排出
対象搬送物 附着性の少ない粉粒体 吸湿・附着性のある粉粒体 微粉・塊、壊れ易い物
運搬能力
運搬速度 90〜160 <30 <70
磨耗度合い
バケツ駆動 ベルト チェーン ベルト又はチェーン
バケツ間隔 バケツの高さの2.5倍以上 連続でも可能 連 続
コスト
備 考
3.チェーンコンベア
フローコンベアとも呼ばれ、バラ物自体の相互摩擦を利用しチェーンアタッチメントで連続搬送する。ケースは密閉性があり、水平、垂直、傾斜とさまざまな用途で用いられる。また運搬能力・運搬距離においても優れているのが特長である。ただし浮遊性、流動性が甚しい品物、大塊、磨耗性・腐食性の甚しい品物、附着・圧着固結するものには不適である。

4.スクリューコンベア
密閉性が高く、屋内外を問わず使用されています。摺動箇所が少ないことと、搬送時の音が他の機械式に比べ静かなことが特長と言える。またジャケット式により加温・冷却タイプや羽形状を変えることで攪拌効果をもたらしたタイプや脱気圧縮効果のあるタイプなど色々な付加価値を付けたタイプが存在します。 ただし搬能力・運搬距離において上のチェーンコンベアに対し劣る反面、短い距離でのコストについてはスクリューコンベア方式が優れているので、多くのケースで使い分けられています。 使用条件に応じた機種選定は、設計者として経験や引出しの見せ所とも言えます。

5.空気輸送
配管の中を流れる空気を利用して粉粒体を浮遊させ輸送する方法です。密閉性が高く、ルートのスペースが少なくてすむことによる設計自由度が高い点、水平・垂直を一系列で賄える点、搬送物が配管内に残量としてほとんど無い点、中・長距離輸送における設備コストが少なくてすむ点がメリットとして挙げられる。反対に消費動力が大きい、搬送後の空気処理、機械式でも問題となった磨耗性の問題がデメリットとして挙げられますが、こんにちメリットの点を重要視する傾向があります。 そこで留意する点で代表的な問題要因を下記にまとめました。

磨耗性の要因 附着性の要因
搬送物の物性 硬い 比較的粒度が小さく、軽いもの
予想される搬送物 鉱物・活性炭・砂・セラミック原料
アルミナ・珪藻土・シリカ・石炭など
油分を含んだ粉体、含水率の高い粉体
潮解性のある粉体
(酸化チタン・上白糖・ブドウ糖・水酸化アルミ・カーボンなど)
空気輸送は次のように分類される。空気圧力の正負により圧送式・吸引式、混合比により低・高濃度輸送、空気圧力により高・低圧輸送と呼ばれる。 世界で最初に使用された空気コンベアは1866年B.F.Strutevantによって実験され、研磨機で発生した塵芥を輸送、続いてカンナくず、おがくず、紙くずと空気輸送コンベアの製作に成功している。日本では大正時代末期にバラ麦陸揚げ用として、当時1万トン級の本船から直接荷揚げできる施設が建設された。一般的には戦後(昭和20年代)に小麦・大麦・その他穀物の大量荷揚げ用として本格的に採用されるようになった。

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